WORLD BASEBALL CLASSIC 2023

昨年11月よりも戦力・コンディションとも向上 雪辱狙うオーストラリア/カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール 対戦国紹介

2023年3月11日 コラム

 WORLD BASEBALL CLASSIC™は過去4大会すべてに出場しているが、すべて1次ラウンド敗退。それでも過去を振り返れば侮れない相手であることは間違いない。これまで何度も日本とは好勝負を繰り広げてきた。
 2004年のアテネオリンピックでは、オリンピック史上初めてプロ選手のみで金メダル獲得を目指した日本に対して、予選リーグは9対4、準決勝の再戦でも1対0で退けて決勝進出したオーストラリア。決勝はキューバに敗れたものの銀メダルを獲得した。この時のメンバーには阪神の中継ぎとして活躍したジェフ・ウィリアムズや元中日でメジャー経験も豊富なデービッド・ニルソン現監督らがいた。
 直近の国際大会では2019年の「第2回 WBSC プレミア12」での戦いが記憶に新しい。スーパーラウンド初戦で対戦。序盤にリードを奪ったものの7回に周東佑京(ソフトバンク)の機動力と源田壮亮(西武)のセーフティーバントで同点に追いつかれると、8回に押し出し四球を献上し2対3と惜敗した。


デービッド・ニルソン監督

 今大会はコロナ禍の影響でそのプレミア12以来約3年ぶりの国際大会出場となる。メンバーは昨年11月に札幌ドームで行われた『侍ジャパンシリーズ2022』から数人を入れ替えた構成となった。

 先発投手は元メジャーリーガーのワーウィック・ソーポルドや国内リーグで実績のあるティム・アサートンが中心。救援投手としては前回WBCの経験もあるベテランのスティーブン・ケントやトッド・バンスティーンセルに加え、新戦力として11月の侍ジャパン戦で好投したミッチ・ニューンボーンやリアム・ドーランも注目される。
 さらにアメリカ3Aでの経験もあるダニエル・マグラスなど左腕4人を追加した。プレミア12で主力だった投手が数名引退し全体的な戦力低下は否めないが、それでも初見では手こずりそうな投手が揃っている。
 救援投手が充実した戦力構成のため、短いイニング数での継投を矢継ぎ早に仕掛け、少ない点差を守り切る戦い方が多い。対戦相手としては投手を交代される前になるべく早く攻略することが必要になるだろう。


元メジャーリーガーのワーウィック・ソーポルド投手

 野手は、メジャー経験のある外野の名手アーロン・ホワイトフィールドや、アメリカマイナー2Aで昨年19本塁打を放った内野手ロビー・グレンディニングが中心となるが、国内リーグで打撃成績が上位の捕手アレックス・ホールや外野手ウルリヒ・ボヤルスキも注目される。11月の侍ジャパン戦では右打者に偏った構成だったが、新たにジョーダン・マカードルやジェーク・ボーウィのような強打の左打者も追加した。
 11月は2連敗したが、南半球に位置するオーストラリアの国内リーグは開幕前でコンディションは、まだ上がりきっていない状況だった。栗山英樹監督もまったく別のチーム力になる可能性を踏まえた上で「この投手とこの投手を繋がれたら嫌だなというものはありました」と当時から警戒しおり、どちらに転ぶか分からない試合展開になってもおかしくはない。